日本でワインと言えばボジョレーヌーボーが話題になることが多く、解禁日になった際にはメディアでも取り上げられ、スーパーなどでも取り扱われることが増えますよね。しかし、ボジョレーヌーボーとはどういったものか詳しくご存知でしょうか。
そこで今回は、ボジョレーヌーボーとは何か、盛り上がるのは日本だけなのか、キャッチコピーの歴代について調査します。
ボジョレーヌーボーとは?
ボジョレーヌーボーは日本では人気があり、美味しいワインの代表格として扱われていることが多いですね。そんなボジョレーヌーボーには解禁日というものが設けられており、毎年11月の第3木曜日とされています。そのため、2025年11月20日木曜日がボジョレーヌーボーの解禁日ということになりますが、どういった意味があるのか、どんな味なのかということをご存知でしょうか。
それでは、ボジョレーヌーボーとは何か詳しくみていきましょう。
特定の地区で造られたワイン
ボジョレーヌーボーとは、フランス・ブルゴーニュ地方ボジョレー地区で造られたワインで、その年の初出しのものを指しています。
ちなみに、ボジョレーヌーボーはブルゴーニュワインの1種だとされており、生産地域はマコンとリヨンの間にあるボジョレー地方の山の麓であるそうです。
また、ボジョレーヌーボーの特性上、赤ワインとロゼワインしかないのが特徴で、ボジョレー地区と新しいという意味があります。
フルーティーで飲みやすい
一般的にワインは、質の高いブドウを使って長期間熟成させることで味わい深い味と香りを生み出しています。しかし、新酒であるボジョレーヌーボーは熟成期間が短く、すぐに飲むワインとして販売されているそうです。
そのため、他のワインに比べて渋みがまろやかになっており、ベリー系のフレッシュ感やフルーティーな味わいを楽しむことができます。また、渋みが抑えられているので、赤ワインが苦手という人にもおすすめと言われています。
品種
ボジョレーヌーボーに使われているブドウの品種は、ガメイ種と呼ばれてる黒ブドウです。ガメイ種は他の品種よりも早熟で、早めに収穫しても美味しいという特徴があるので、ボジョレーヌーボーの原料として使われています。
そして、黒ブドウであるガメイ種が使われているボジョレーヌーボーですが、ピノ・ノワールというブドウを使うことも認められているそうですが、現在は使用されることがないそうです。
元々は品質チェック用だった?
ボジョレーヌーボーとは、元々品質チェックをするためのものだったと言われています。
以前のボジョレーヌーボーはその年のブドウの質や出来映えを確認するためのもので、主にワイン業者に販売されていたそうです。
しかし、その後に現在のようにボジョレーヌーボーの解禁日がイベントとして扱われることとなり、新酒として大々的に販売するようになったとされています。
また、フランスでも日本と同じように販売されているそうです。
ボジョレーヌーボーが盛り上がるのは日本だけ?
日本ではワイン=ボジョレーヌーボーと思っている人がいるくらい浸透しているものですが、世界的に見ても盛り上がっているのでしょうか。
また、ボジョレーヌーボーはフランスワインですが、なぜここまで日本で高い人気を誇っているのかも気になりますよね。
それでは、ボジョレーヌーボーが盛り上がるのは日本だけなのか、国内で高い人気を誇っている理由についても詳しくみていきましょう。
輸出量の4分の1が日本
日本国内に住んでいる人は、多くの人がボジョレーヌーボーの解禁日を待ち遠しく思っていたり、世界的に話題になっているイベントだと思っているのではないでしょうか。
しかし、フランスに住んでいる日本人曰く、現地でボジョレーヌーボーの解禁日が騒がれることはないそうです。また、騒がれていたとしても現地の一部だけでと言われており、輸出量を見ても盛り上がっているのが日本だけということが分かります。
ボジョレーヌーボーの輸出量の4分の1は日本だと言われており、この数字を知るだけでも盛り上がり具合が伝わってきますね。
日本人に合った味?
ボジョレーヌーボーが日本で高い人気を誇っているのは、日本人の味覚に合った味だからではないかとも言われています。
上記でも説明したように、ボジョレーヌーボーは熟成期間が短いのでワイン特有の渋みがなく、赤ワインに慣れていない人も飲みやすいというのが特徴です。そして、ボジョレーヌーボーが日本に入ってきたのが1980年代のバブルを迎えている頃で、メディアでも大きく取り上げられたことでワインブームとなりました。
飲みやすいことやメディアで取り上げられていたことなどが、人気に影響を与えているかもしれません。
大手が撤退しつつある?
ボジョレーヌーボーは1980年代に入ってきて以降、日本国内では高い人気を誇ってきました。その証拠に、2004年のボジョレーヌーボーは過去最大の販売数量を記録したと言われています。
しかし、2024年時点でボジョレーヌーボーの輸入量は、ピークだった2004年の7分の1にまで減少しました。また、2022年のロシアによるウクライナ侵攻によって、航空運賃の高騰によりコストが跳ね上がり、これまでにアサヒビールやサッポロビールなどの大手が撤退しているようです。
ボジョレーヌーボーのキャッチコピーの歴代が面白い!
ボジョレーヌーボーのキャッチコピーは話題になることが多く、「100年に1度の出来」や「110年ぶりの当たり年」といったような最高級評価であるかのような表現がされることがありました。
しかし、ボジョレーヌーボーの生産地である現地では、日本国内の輸入業者が付けているキャッチコピーとは打って変わり、「とてもうまくいった年」や「生産者の実力が表れる年」といったように控えめになっています。
ただ、ボジョレーヌーボーのキャッチコピーは面白いと言われているので、歴代のものを振り返っていきましょう。
販売業者評価
販売業者評価によるボジョレーヌーボーのキャッチコピーは、このようになっています。
- 2005年:タフな03年とはまた違い、本来の軽さを備え、これぞ『ザ・ヌーボー』
- 2010年:2009年と同等の出来
- 2012年:偉大な繊細さと複雑な香りを持ち合わせ、心地よく、よく熟すことができて健全
- 2015年:過去にグレートヴィンテージと言われた2009年を思い起こさせます
販売業者評価のキャッチコピーは、どれも荘厳な感じがありますね。
ボジョレーワイン委員会
ボジョレーワイン委員会が付けたキャッチコピーはこちらです。
- 2008年:フルーツ、フルーツ、フルーツ
- 2021年:挑戦の末たどり着いた、納得のヌーヴォー
- 2022年:太陽に恵まれたヴィンテージ、果実味とストラクチュアの完璧なバランス
このように、2008年のキャッチコピーはかなりインパクトがあり、相当フルーティーな出来だったのでしょうか。
まとめ
今回はボジョレーヌーボーとは何か、盛り上がるのは日本だけなのか、キャッチコピーの歴代について調査しました。
ボジョレーヌーボーは通常のワインとは違った特徴があり、それが日本で受けたようですが、徐々に人気は下がってきているのかもしれません。ただ、ワインになれていない人にとってボジョレーヌーボーは、取っつきやすいかもしれないので試しに購入しても良いかもしれないですね。


